Q&A

油圧装置の事故と一処置法についてのQ&Aをご紹介します。
(質問をクリックすると解答がでます)

1:ポンプから油が出ない
原因   処置・あるいは点検個所
回転方向の間違い   破損防止の為、直ちに原動機の回転方向を逆にする
タンク内の油面が低い   基準面まで作動油を追加する
吸入管系統に空気が漏入している   漏入箇所を調べて修理する
ポンプシャフトの回転数が低すぎるため   規定の回転数まで上げる
油の粘度が高すぎるため   適正粘度の作動油を使用する
吸入側配管容積が大きすぎる   吐出側から空気を抜きつつポンプを回転させ、油を吸い込ませる
2:圧力が発生しない
原因   処置・あるいは点検個所
リリーフ弁のセット圧が低すぎる   圧カ計によりリリーフ弁のセット圧を調整する
リリーフ弁が固着して開きっ放しになっている   バルブシートの塵芥を除去する
圧力供給系統を流れている油が自由にタンクに環流している   各系統別に順次点検する
油圧管制系統を流れている油が自由にタンクに環流している   弁類が正常に作動しているかを調べて調整する
方向切換弁のスプール形式を調べる
3:ポンプから騒音がする
原因   処置・あるいは点検個所
ポンプと吸入管の結合部から空気が漏入している   作動中の音をよく聞きながら、結合部に油をかけ 音が小さくなった結合部を増締めする
ポンプのシャフトパッキンから空気が漏入している   作動中の音をよく聞きながら、シャフトの廻りに油をかけ、音が小さくなれぱパッキンを取替える
ポンプと原動機のシャフト芯が出ていない   芯をよく出して取付け直す
ベーンポンプの場合、軸芯ズレの許容寸法は0.05mm以下が一般的である
油中に気泡がある   戻り管が油中にあるか、また吸入管から充分離れているかを点検する
ポンプの回転が速すぎる   規定の最高回転速度以下に調整する
油の粘度が高すぎる   適正粘度の作動油を使用する
濾過器が小さすぎる   適当な容量のものと取替える
吸入管または濾過装置がつまっている   吸入管および濾過装置を掃除して閉塞物を除去する
4:異常発熱
原因   処置・あるいは点検個所
油の粘度が高すぎる   適正粘度の作動油を使用する
内部漏洩が多すぎる   パッキンの摩耗、緩みおよび弁・ピストン・ポンプ・シリンダ類の摩耗度合を点検し、修理する
吐出圧カが高すぎる   圧力計を点検し、最大負荷に要する圧力にリリーフ弁をセットする
オイルクーラーの能力低下   油がバイパスしているか、冷却水通過の状態が正常かを点検する
アキュムレータ回路の作動不良   電気回路、電磁弁、パイロット回路およびアンロード弁の作動が正常かを点検する
封入ガスの圧力低下、内部漏洩の有無、ピストンのカジリ、ゴムの破損などを点検する
タンク設計の不備   ポンプ吐出量に対しタンク容量が小さい場合、オイルクーラあるいはアンロード回路を増設する
5:圧油の漏洩
原因   処置・あるいは点検個所
パッキン類の定格圧力の不適正   作動圧力に適したパッキン類を使用する
パッキン類の材質不適正   合成ゴムパッキンなど耐油性のものを用いているかを確認し、適正なものを使用する
パッキン類の損傷   パッキン類挿入時の損傷、破れ、リップなどの破損を点検し、正常なものと交換する
シール面の不良   取付面の精度不良、取付け歪み、バリ・異物などの状態を点検し、修正する
6:作動不良
原因   処置・あるいは点検個所
温度上昇と共に速度が低下する   ポンプ効率の低下、弁・シリンダの内部漏洩度合を点検し、修理交換する
ノッキング運動   摺動部の摺合せ不良、空気の混入、パッキンの締過ぎなどを点検し、修正する
切換時の衝撃過大   作動圧が高すぎないか、切換速度が速すぎないかを点検し、弁の形式変更(バイパス使用等)チョーク弁の使用などを検討する
規定の送り速度が出ない   管路抵抗の大、弁ポートの異物などを点検し、修正あるいは除去する、ポンプ吐出量を点検する
一般制御弁の作動不良   弁、ピストンまたはスプールの嵌合不良、内部漏洩、背圧の発生、片締め、弁内の異物、スケールなどの点検を行い修正する
電磁弁ソレノイドの作動不良   スプールのスティック、マグネット吸引力の不足、電圧低下、ソレノイド内部の異物、ソレノイドの過熱などの状態を点検し、修正あるいは交換する

Copyright(C) Hokuriku Yuken Co.,Ltd